家族4人と共にあるアイボリーの優しいソファー

我が家にはアイボリー色のソファーがあります。10年ほど前、一戸建てを購入した際、揃えたものです。当時我が家には、1才と2才の年子の男の子がいました。私の夫は、アイボリーなどという淡い色を選んだらすぐに汚れるのではないかと心配していましたが、その優しい色合いに一目惚れした私は譲りませんでした。それ以来、テレビを見るときに座ってホッと一息をついたり、時には息子たちのトランポリン代わりになったり、お昼寝をするベッドになったりと大活躍をしてくれました。このソファーは3人掛けと2人掛けの2つのセットになったものです。ある日、やけに子ども達が静かに遊んでいると思ったら、2人掛けのソファーの後ろでなにやら熱心に取り組んでいるようです。そうっと覗いた私は仰天しました。幼い息子たちの手にはマジックが握られ、ソファーの背が彼らのキャンバスと化していたのです。

彼らが描いていたものは、まだ絵ともイラストとも呼べないもので、ゆがんだ丸や線が奔放に描かれてあるのでした。ソファーを購入したお店で貰った皮革製品用の汚れ落としクリームを探しだし、藁にもすがる思いで一応拭き取ってみましたが、全く効果はありませんでした。気づくと、必死で消そうとする私の姿を見て、神妙な顔つきで立ちすくんでいる息子たちに気づきました。一言二言、叱ったような気もしますが、体中の力が抜けてしまった私でした。夫が帰宅したのですぐに見てもらうと、夫は大声で笑い出したのです。するとなんだか私まで可笑しくなり、みんなで笑ってしまいました。無事だった3人掛け用の方には描かないことを息子たちには約束してもらいました。あれから早10年ほどが過ぎ、息子たちは中学生になりました。今でも、時折その話題になっては皆で笑ってしまいます。時が過ぎれば、本当に心が温まる良い思い出になるのです。アイボリーのソファーはまだまだ健在で、今では、家にいる時間の長い私の相棒となっています。転勤族の我が家ですが、これまでの数回の引越の度に、必ずお供させています。落書きを背負った2人掛けのソファーは、しばらく空き屋とならざるを得なくなっているマイホームでお留守番をしてくれています。

年に数回ほど自宅に戻るたびに、私たち家族を温かく迎えてくれるのでした。この先また、2人掛けと3人掛けをセットで並べる日が来るでしょう。家族4人でゆったりと腰掛けながら、これからも仲良く暮らしていきたいと思うのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)